スタッフの人員基準
有料老人ホームは民間企業も運営に参入できるとあって年々数が増えています。しかし、施設の数が増えるということはその分、人員も必要だということです。施設の種類によっては最低基準が設けられているため、人員を確保するのに頭を悩ませている施設もあります。
有料老人ホームの人員基準について
有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類ありますが、これら3つの施設のうち介護士が常駐することを義務付けられているのは「介護付き」です。介護サービスが付属しているため入居者は常時必要なサービスを受けられますが、定額料金なので月々の利用料金が高額になりやすい傾向があります。「住宅型」と「健康型」では介護サービスを提供していません。施設で働いている介護士ではなく、外部の訪問介護事業所の介護士が介護サービスを提供することになります。そのため、必要な人員基準も設けられていません。必要な分だけサービスを受けることになるため、要介護度のレベルがそれほど重くなく、かつ費用を抑えたい人がこちらの施設を利用しています。
割合について
「介護付き」では介護士が常駐することが義務付けられていますが、割合はどうなっているのでしょうか。多くの介護施設で採用しているのは「3:1」です。これは要介護もしくは要支援2以上の入居者3人に対し、1人の常勤の介護士を配置するというものです。入居者が30人の場合はスタッフの人数は10人、となります。よく1日の配置人数が10人だと思っている人もいますが、それではかなり多くの人数が働いていることになってしまいます。実際の人数を理解すると予想以上に少なかったことに驚いてしまうでしょう。
「介護付き」では介護士だけでなく他にも生活相談員や看護師などの職種の人たちも働いていますが、こちらにも必要最低限の人員基準が設けられています。生活相談員は最低でも常勤1人の配置が、看護師は30人未満で1人の配置が義務付けられています。
スタッフは常勤だけではありません。パートで働いている人もいますが働き方が違う場合はどのような人数計算になるのでしょうか。
多くの施設では常勤換算して数える方式が採用されているためパートも含めた計算になります。例えば常勤のスタッフが週40時間、パートが週20時間働いている施設では常勤スタッフを「1」、パートを「0.5」として計算します。入居者が30人の施設で「3:1」の基準を満たすとなると、常勤の介護士と看護師が合わせて10人もしくは常勤の介護士が6人、常勤の看護師が1人、パートの介護士と看護師が合わせて6人といった組み合わせになります。この人数なら定められている最低基準を満たすことができます。